多くの外国人の方と接すると様々な文化の違いで驚かされる事がある。
ここに、名前を書いてください
はい・・・
『マオ・マオ・リン』です
『リン』が苗字ですか?
いいえ、苗字はありません・・・
・・・( ゚Д゚)・・・えっ
世界には、様々な名前の取り扱い事情がある。
苗字が無いケースも珍しくない。
ただ、日本で生活するには、どうしても苗字が無いとシステム上不便だ。
すんなりいく事でも、出来なかったりする。
以前、苗字の無い国の方をお世話した事がった時に感じた。
車の免許、健康保険証書の作成時、銀行の口座開設時などなど申請の手続きを行えば、担当の窓口の方が騒めき立つ。
流石に、地方の役所や警察署では、初めてのケース。理解不能で、本部に何度も電話で処理の方法を確認している姿を見て、その慌て様が面白かった( *´艸`)。
失礼な話で・・・申し訳ないが、真面目な顔して皆で議論している・・・
「書かなくていいだろう・・・」「あら、システムがエラーになる」「名前分ける?・・・」
ってな感じ・・・
それほど、日本にとっては、苗字と名前はセットの存在になっているのだ。
まぁ、日本も明治時代前には、苗字が無かった方も、普通に居たのですが・・・
「名前」のみ、苗字が無い
・アフガニスタン(一部「名」+「姓」)
・イスラエル
・インドネシア(一部イスラム教徒で、父称を姓にする事がある)
・エチオピア
・カンボジア
・チベット
・ブータン(一部「名」+「姓」)
・マレーシア(「名+bin+父の名」)
・ミャンマー
・モンゴル
・ルワンダ
名前のみとは言え、実際、二つから四つの言葉をつなぎ合わしている場合が多い。
たとえば、
ミャンマー国家顧問の「アウン・サン・スー・チー」(Aung San Suu Kyi)さんのケースを例にすると、
名前の最初の部分は、独立の父と言われた「ボーヂョーアウンサン」の一部と、父方の祖母の名前「スー」、母親の名前「キンチー」から一音節ずつ取ってを受け継いだようだ。
また、
八曜日占いと言う生まれた曜日によって運勢を決める占いがある。ミャンマー人同士なら、名前を聞いただけで相手の運勢が解ってしまうようだ。
ちなみに、先頭のお父さんの名前を省いて、スー・チーさんの「スー」。これは、火曜日生まれの事。生年月日は、1945年6月19日なのでご確認ねがいたい。(リンク:八曜日占い)
「姓」+「名」型
・シンガポール
・セネガル(一部)
・台湾
・中国
・朝鮮/韓国
・日本
・ハンガリー
・ベトナム
・ベナン
・香港(英語名は、「名」+「姓」)
・レバノン
「名」+「(家名など)」型(イスラム教徒名に準ずる形)
・アラブ首長国連邦
・イエメン
・イラク
・エジプト
・オマーン
・カタール
・クウェート
・サウジアラビア
・シリア
・スーダン
・チュニジア
・バーレーン
・パレスチナ
・ヨルダン
・リビア
番外
・アイスランド
基本「名前」+「父親/母親の名前の一部」x「息子/娘」
・インド
※様々なパターンがあります。
基本形は、「名」⇒「姓」の順
※シーク教徒は、「名」のみ
姓は、カースト、故郷、職業、氏族に由来を表わす語または、崇拝する神名などが用いられます。特に、カースト名を避ける為に、姓を使わず、ミドルネームを姓として用いる事があります。
「名前」+ (「ミドルネーム」+) 「苗字」
以上以外は、全て「名前」+「苗字」の形態をしている。
アメリカとかフランスとかドイツとか・・・殆どの国の方々は、ここに属する。
余談だが、最も多くの苗字の種類を取り扱い国は、多種多様な移民の国、「アメリカ」だ。
150万種類の苗字を取り扱っている。
因みに、日本も結構苗字の取り扱いが多い、約30万種類もある。漢字の違いや漢字の読みの違いなどで多くなっている。さらに、常用漢字以外に、人名用漢字が、863文字もあるのをご存じだろうか。苗字は簡単には作れないが、名前ならば、2999漢字の組み合わせで名前をつくることができる。
ここも日本語の不思議な所だ。興味があるかたは、文化庁のHPを参考にしてもらいたい。文化庁「これまでの漢字政策について(付:人名用漢字)」
同じ漢字圏の中国では、約4000種類。韓国は、約250種類程度しか苗字の種類が無いから逆に驚く。
名前には、イロイロな思いが込められている。
時には、誇らしく・・・、時には、隠す様に・・・。
その様な神秘的な「名前」。一度、自分の名前を探ってみてはどうだろうか・・・