【サイン】日本の契約はなぜ印鑑が必要?サインじゃダメ?

サインをする 海外文化
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ここに、名前かいてもらって、
印鑑おしてください。

Aki
Aki

ハンコもってきてないです。
サインでも良いですか?

いや~
ダメですね。
書類なんで・・・
100金ショップで、
実印買って来てもらってもいいですか・・・

Aki
Aki

は・・・
そんなんで良いんですか・・・

大切な
契約書ですから・・・
何かあったら困りますから・・・

Aki
Aki

・・・
は~・・・

こんな事。
結構、日本ではあるんですよ。
特に、派遣社員を経験した方なら、入社、退社、契約更新などの度に、こんな光景が繰り広げられている。
押印を求める社員も意味もわからず、バカ上司の言われるままに、相手にハンコを催促している現状を見受けられる。

私も以前派遣社員として働いていた経験があるが、やたら書類に捺印を求められる。
派遣会社のスタッフに、意図を聞いても、『トラブルの時に・・・』としか返答を聞いた事無い。
トラブルを起こしたくなる様な会社なのでしょうかね~って突っ込みたくなるが・・・労務担当者との関係も悪くする訳も行けないのでそれ以上は突っ込まないようにするが・・・

要するに・・・
会社に有利な多くの内容の承諾をして、係争などの裁判に成った時の証拠としたい意図が、本音と思う。

では、
100金で得た印鑑は、合法で・・・
本人が直接書き込んだ名前(自署)は、無効なのか・・・

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捺印儀式の国 JAPAN

現在、個人に押印を求める国は、世界的に見て、
日本国と台湾のみです。

お隣韓国は、2014年には印鑑制度を廃止しています。
理由は、察しが付くとおもいますが・・・
デメリットが多くなったから
特に、3Dプリンターなどで偽造をしたり、陰影から巧みに偽造して、
印鑑登録の実印と区別がつかない為、印鑑の信用性が無くなったからです。

因みに、
台湾も印鑑文化と述べましたが、
日本と事情は少し違い厳格です。
台湾の印鑑は、角印で、フルネームを入れます。
まさしく個人を証明するものとして使用されます。
また、印鑑を国が管理して登録する所が徹底させています。
日本よりも印鑑が個人の権利を守る、大切なものとして活用されているのが判ります。

さて、
日本の実態は、「儀式」として行われているのが殆どでしょう。
捺印という儀式を行うことによって、責任や自覚を求める空気感が、日本では必要なのでしょうね。実態は、ハンコが付いていればOK程度が殆どなのでしょう。後日陰影の確認もしないし印鑑も個人を表す様には成ってませんから・・・

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日本のハンコと法的効力

では、日本のハンコの効力ってどこに在るのか?

現代においてハンコ自体には、何の効力もありません。
山田さんが、「木村」印を押そうが、「山田」印を押そうが、どちらでもいいわけです。
よくあるのが、かわさき印です。「川﨑」「川嵜」などの印鑑が手に入りにくい事情から、「川崎」で代用しているケースと一緒です。
重要なのは、「陰影」。
陰影は、押した印鑑の模様の事。
「この陰影は、私を表す陰影」である事が重要となってきます。
では、その証明と根拠は・・・
そうまさしく
「印鑑登録証明書」と一致する事。
公的に証明される陰影であれば、そこに書かれている模様や文字など原則関係ないのです。
「木村印」を、山田さんが印鑑登録すれば、公的印鑑として使用できます。(市町村により判断が異なりますので詳細についてはご確認ください)
そして、陰影も偽造防止の為、分かりにくい書体(篆書体や吉相体など)で作られる場合が一般的なので、まさしく読めない陰影の方が公式にふさわしい印鑑とも言えるます。

また、ゴム印や樹脂印など陰影が変化してしまう印は、印鑑登録には使用できない理由はここです。押す度に変化しては、証明できないからです。

既に、お気づきとおもいますが・・・
契約書や重要な書類は、印鑑登録されている印鑑(ハンコ)しか、公的効力がありません。
よって、押印されている印鑑が登録されてない場合、「ナニコレ?私知らないよ!」と言われれば、それまで。本人が押したと言ってもらわないと効力も発生しないのです。

ただし、長きに渡って20年も30年も使用している一つの印鑑が印鑑登録されていない場合でも、法的に効力を持つ事もあります。ただし裁判をして認められたらですけど。

印鑑登録した公的証明効力がある印鑑の事を「実印」といいます。
なので・・・
認めたくない押印でったら、適当なハンコでいいとおもいますよ・・・儀式ですから

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諸外国の印鑑

諸外国でも印鑑を使用する所は多いですが、全て会社や公的証明用の印鑑です。
日本の個人使用とは可成り違います。

代表的なのは、ご存じ
パスポート!
入管で世界各国で異なるパスポートの出入国スタンプ(Passport Stump)を押してくれるますよね。色とりどりでワクワクする奴です。

公証スタンプ
「Notary Public Service」
何それ??って方が大半とおもいます。
アメリカなどでは、書類やサインの真偽について、
州から認められた公証人が立ち会って、
その場で公式証明印鑑をついてくれる制度があります。
ここで証明スタンプが使われています。

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印鑑契約とサイン契約

印鑑文化の日本とサイン文化のアメリカに絞って考えてゆきます。

公的な書類の真偽として、第三者である公証人を利用するアメリカ。
公的な書類として、第三者の市町村に届け出済みの実印を押す日本。
これが、最大の違いです。

また言い換えれば、
個人しか書けない筆跡のみ効果を有し、効力の信憑性を公証人が証明し内容を強固なものとする。自署サインを用いるアメリカ。
押印者でなく、代理であっても、実印の効力をもって、実行させる。印鑑の日本。

事実、公証役場は日本にもあるが、全国に300か所程度しかなく、実務をこなすのに圧倒的に数が少ない、また、行政書士などに依頼するといちいち手数料が発生する。よって、日本の文化システムには実印制度が効率的、経済的だと納得できる。ただし実印に限ってである。

日本以外で一般的なサイン文化。
誰でも押せる印鑑より、個人特徴が出るサインは、筆跡により特定できるので海外では、一般的な承諾の表し方となってます。
勿論、法的にも筆跡鑑定の結果は、重視されます。
が・・・
日本では、まだ、そこまで重視されておらず、筆跡鑑定結果は、参考程度と裁判所もクールです。ちなみに、今流行りの電子署名や電子印についても同様のクールな思考の様です。
しかし、
カードや書類のサイン制度の浸透や、外国人住民の増加、銀行の印鑑登録の廃止などを受けて今後日本でもサイン文化の受け入れが加速すると予想されます。

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サイン

英語では、日本で使用している「サイン」は、二種類あります。
どちらも使い分けて記入するのが一般的です。

有名人などのサインは、「autograph」
書類などのサインは、「signature」
寧ろ、皆さんがおもっている「sine」は、「しるし」や「合図」などとして使用されます。

因みに余談ですが、
カードや書類のサイン欄に、「X______」と見かける事があるが、現在のアルファベット「T」の3000年前の原形である、フェニキア文字で『しるし(印)』を意味する『タウ』が『X』の様な象形文字だった名残である雑学を少し挟んでおく・・・

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海外で生活/留学/旅行するならサインが必須

日本以外で使用されている「サイン(signature)」
海外に旅行・生活・留学を夢見ているかたは、早い段階で、
自分なりに作成して、手に慣れておくことをお勧めする。
日本人ならやりがちな、漢字のブロック体でサインなんて
漢字圏内の方が書けば偽造されるサインは避けるが無難。
また、名前が左右対称で縦横直線の漢字の名前、
例えば「山田章二」なら、
漢字が書けない人にも簡単にマネむされてしまう。
クレジットカードなんか不正使用され放題になる。

早い段階で、パスポート/クレジットカード/トラベラーズチェック/書類の統一「サイン(signature)」を決めて慣れておいた方が良い事をお勧めする。

もし、良いサインが思いつかなかったら、専門家に発注した方がいい。
綺麗で、かっこよく、書きやすいデザインを提示してもらえる。
オプション次第では、書き方の動画や練習ノートまでつけてくれるサービスもある。
お勧めの業者を紹介リンクしておくので、参考にしてもらったらいいとおもう。

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実は、私もサインを外注で作ってもらった。
私の使う用途をイロイロ伝えて、希望デザインを伝えた。そのあとも二回修正してもらって納得いくサインを作ってもらった。私の場合、英語用(アルファベット)と日本語用(漢字)を作ってもらった。
いまでは、これでサインを全ておこなっている。参考にしてもらいたい。

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まとめ

海外では、署名「サイン(signature)」で行う。
特に公式文章では、日本式印鑑は遊びのスタンプと同様なので無効の場合が殆どだ。

日本では、どんなハンコでも良いので押す儀式が重要視されている。
ただし、実印(印鑑登録されている印鑑)の指定がある場合は、重大な責任と法的効力を伴う行為と認識した方がよい。
また、署名「サイン(signature)」の場合も同様に実印並みに効力を発揮する。
根拠は、
民事訴訟法第228条第4項 (文章の成立)にて
「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」との推定規定があります。
さらに、
民事訴訟法第229条(筆跡等の対照による証明)にて
文書の成立の真否は、筆跡又は印影の対照によっても、証明することができる」ともあります。

よって、
署名だけでも、実印だけでも民事上効力を十分満たします。
勿論、実印以外の印は、テストの「はなまる」の印鑑と同じぐらい、効力が激弱の儀式用パフォーマンススタンプと思った方が良いのが事実です。

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追記「署名」「記名」「捺印」「押印」の違い

・署名
  →本人の直筆のサイン

・記名
  →本人の直筆のサイン(署名)以外の方法で記入された氏名(→第三者の介入)
   (他人による、プリンターによる、ゴム印などにより)

・捺印
  →署名捺印の短縮呼称で、「署名」+「実印」(印鑑)

・押印
  →記名押印の短縮呼称で、「記名」+「実印」(印鑑)

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追記 印鑑の種類

・実印
  →印鑑登録する印鑑

・認印
  →サインの代わりの印鑑

・銀行印
  →銀行に届出をする印鑑

・三文判
  →安いハンコの事で、実印や銀行印には不向き

・ゴム印
  →「しるし」としてのマーク様印鑑

By Akky
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