メジャーリーガーだった元プロ野球選手の「イチロー」って『ICHIRO』。
ローマ字では、ITIROUじゃないの?
世界のホームラン王、「王貞治選手」の背番号「1」の上には、「OH」。
ローマ字では、『O』とか『OU』とか、OOじゃないの?
そんな疑問を持たれた方も多いじゃないでしょうか・・・
実は、
ローマ字って、日本語のふりがな表記を、ABC表記に直すシステムと勘違いして教えられたのが、混乱の原因なのです。
インタビューで明らかになったローマ字問題
元日ハムファイターズの「大谷翔平」選手が、2017年2月アメリカのスポーツライター「Jon Paul Morosi(モロシ)」さんのインタビューの冒頭で、大谷選手の苗字のローマ字綴りについて、「重要な話」としてインタビューが始まりました。
アメリカのメジャー移籍希望で、大谷選手の報道が多く取りざたされたのですが・・・
紙面や報道機関などによってバラバラだったのです・・・
日ハムの時使用されていた「OTANI」。その後の「OHTANI」に変更した。しかし、
アメリカでは、「Otani」で報道と野球情報記録に表記。でも本人が、「OHTANI」と言うから事態が複雑・・・
そこで、スポーツライター「Jon Paul Morosi(モロシ)」さんが思い切って冒頭インタビューで、『the most important question』と前置きしたうえで、真面目に質問したのです。
【Paul Morosi】
My first question, the most important question,
How do you spell your lastname ?
I’ve seen it two different ways.
How do you like us to spell your last name ?
(最初に最も重要な質問します。苗字の正式な綴りはなんですか?)
【大谷】
(苗字を・・・)正式に・・・!!
わかんない・・・。
いつも書く時は、H入れます。
【通訳】
He doesn’t know the real answer
but whenever he has to fill out papers, puts the ‘h’ in there.
【Paul Morosi】
Ok, so we will put the ‘h’ in there as well.
(わかった! これからは、『H』を入れちゃいましょう!)
と・・・いうことで、
大谷選手の『H』問題が解決!!
では、
何故こんなことになってしまったのでしょうか・・・???
日本語発音をABC表記を使って表すのが・・・ローマ字
結論からもうしますが・・・
ローマ字は、日本語のABC表記変換ではなく、日本語発音をABC表記する事と理解してください。
と・・・言う事は・・・( ゚Д゚)
察した方も、多いとおもいますが・・・
ローマ字で書かれた発音は、日本語を知っている人にしか、正確には、読めないんです。
中国人が書いたローマ字。韓国人が書いたローマ字。ベトナム人が書いたローマ字など・・・その国の方が書いたローマ字発音は、その言語に精通した方しか正確には読めないのです。
ローマ字は文字がアルファベットであるため、英語と混同してしまいがちですが、英語発音とはまったく別であると理解してください。
・英語単語の「CAKE」
こちらは、スイーツの「ケーキ」ですが、
英語(フォニックス)では、「ケイク」と発音します。
ちなみに
ローマ字よみだと『カ・ケ』ですよね。
・日本語の「SAKE」(= 酒)
こちらは、日本のアルコールの「酒」ですが、
英語(フォニックス)では、「セイク」と発音して、
意味が名詞『目的・利益・~ため』になってしまいます。
・「Pokemon」
こちらは、世界的有名なアニメ「ポケットモンスター」の「ポケモン」のローマ字表記ですが・・・
英語(フォニックス)では、「ポークモン」となります。意味も微妙に変化します。
『poke』(ポーク = 突く)と、『mon』(モン = 月)になり、「月を突く」物語になってしまいます。セイラームーンっぽくなっちゃいますね…(;^ω^)
かと言っても・・・ローマ字は、英語習得に全く無意味ってなわけではありません。
英語表記の読む手がかりとして、ローマ字の取得は我々アルファベットを使用しない日本語族には、必要不可欠なのです。
『英語の表記』と『ローマ字表記』の発音がイコールで無い事は、頭の片隅で理解してください。
チョット愚痴りますが・・・
日本では、ローマ字の教育は、『国語』として知り扱われ。
英語は、『英語』教育として取り扱われ、他人的存在で教育が進行してしまい。習っている子供たちは、混同して一緒にして結び付けている人が多いのです。
よって、ローマ字の取得でつまずく子がいて、ローマ字と英語の単語の不一致でつまづく子がでてしまうのです。
一度、ローマ字と英語(フォニックス)を整理して教えてあげる必要があると感じています。
ローマ字の種類?
もう一つややこしい事に、ローマ字には、いくつかの種類が存在するのです。
・ヘボン式(英語式)
・日本式
・訓令式
・99式
えーーーっ( ゚Д゚)
と思った方も多いとおもいますが・・・
「へ~」程度の認識で結構です。
インターネットで「ローマ字」と検索したら、出てくるので混乱しないように、簡単に解説をしておきます。
これら全て政治的背景というか心情的背景などの憎悪が渦巻いた結果複数が存在したとおもっていただければいいです。(;^ω^)
1867年ジェームス・カーティス・ヘボン(James Curtis Hepburn)が、
日本最初の和英辞典『和英語林集成』を編纂をしたとき、ラテン文字で日本語(単語)を書きました。これがヘボン式ローマ字の始まりです。
その後1885年に、天文学者の寺尾寿などにより、日本語にふさわしいローマ字を提唱。それが、日本式ローマ字。
そこから、細かい修正を加えて日本式ローマ字が、訓令式ローマ字となり、公式なローマ字として訓令式が採用された・・・が・・・、日本式ローマ字派の方々は、面白くないため、ヘボン式ローマ字を使用。ここからが、ヘボン式ローマ字vs訓令式ローマ字戦争が始まった・・・
第二次世界大戦後アメリカなど世界的に使用されていたヘボン式ローマ字が優位となりました。
結局外国人がつくつたローマ字の為、日本語を外国語として少々修正して使用するローマ字を使用する事になりました。日本人にとって些か不便なのが現在のローマ字(ヘボン式)と認識ください。
因みに、英語式とは、ヘボン式ローマ字の母音などから伸ばし記号を取り除いたものです。
(柔道 → jūdō【ヘボン式】 / judo【英語式】)
1999年には、「99式」が登場します。パソコンや機械が発展してローマ字入力をする際に、外来語やオノマトペに対応させたローマ字の調整があった物で、意識するまでではありませんので・・・流してください・・・(*’▽’)
この後も、様々なシーンで調整などされています。
その例がパスポートの申告時の名前・・・
旅券法施行規則第五条第2項「旅券の記載事項」により、
パスポートの氏名は、戸籍に記載されているもので、「ヘボン式ローマ字」を使って表記することとなっています。また、都合により該当しずらい時は、『非ヘボン式ローマ字表記』に沿って使用いなければなりません。
冒頭で紹介した「大谷翔平」選手は、旅券法施行規則第五条第2項に従い、パスポート申請では、「Otani」か「Ootani」以外は、ダメな事になります。「Ohtani」では、受付てくれません・・・
ただし、サイン(署名)は別ですが・・・(この件については、また別途ブログします。)
ローマ字にも様々な背景や使われ方があると理解してもらえたでしようか。
次から、具体的に覚えていきましょう・・・( *´艸`)